FGO5周年で情報がいろいろ出てきて、楽しい一日だった。 アルトリア・キャスター、引けるかな・・・
それはさておき、Facebook経由で面白そうな動画が紹介されてたので、見てみた。 内容は、コンピュータによる言葉の意味理解に成功したよ、という主張。
ブログもざっと眺めてみたんだけど、かなり楽観的だなぁというのが自分の印象。 まぁ、出来たもん勝ちというか、これで実際に面白いモノが出来てくればそれはそれで面白いので、どうなるのか見守っていきたい。
とりあえず現時点での自分の感想は以下のツイートのような感じ:
1. シンボルグラウンディング問題、解決してないよね
【マインド・エンジン】絶対不可能といわれていたコンピュータによる言葉の意味理解。ついに成功したので公開します。 https://t.co/9pN75bUOZp @YouTubeより
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
「言葉だけの世界から三次元の世界に連れ出す」と言ってるけど、そこに問題があることに気づけてないんだよねぇ。
この例でもシンボルグラウンディング問題が実際に起きてるんだけど、そこに気づいてない。次郎からの見えてるもので「太郎、壁、地面」を「切り出して」いたけど、たとえば「空」とか「髪の毛」とか「草」とかは入ってない。見えてる世界そのものから「単語」をどう切り出すかは、無限の切り口がある。
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
Unityでオブジェクトという単位でモノがあるので、切り出しはどうしてもオブジェクト単位になってしまう。
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
他にも、こんなコメントをしてると「空気読んで」と言われそうだけど、「『空気読んで』の意味をマインド・エンジンは理解できるのか?」ということを考えると、すごく難しい。
2. ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」とか考えた方がいいかも
【マインド・エンジン】絶対不可能といわれていたコンピュータによる言葉の意味理解。ついに成功したので公開します。 https://t.co/9pN75bUOZp @YouTubeより
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
マッピングの考え方が主流じゃないのは、たぶんウィトゲンシュタインの言語ゲームとかチョムスキーの生成文法の思想が強いからかな。
実際、先に指摘した通り、シンボルグラウンディング問題をこの動画でも起こしてるし。これは前期ウィトゲンシュタインが世界を言語の世界にマッピングしようとして、それではうまくいかないと後期では言語ゲームを持ち出してきてるのを考えてみるとよさそう。
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
後期ウィドゲンシュタイン - 未唯への手紙 https://t.co/aeArEDHSdA
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
「言語の意昧とは、その使用である」
この考えがあるので、言語の意味を理解できてるかというのは、心象に触れることなく、実際に使えてるかどうかで
判断するという考えが強そう。
3. 表象を作るのはコストが高い
あと『現れる存在』で書かれてるのは、表象はとてもコストが高いということ。
— やまいも (@yappy0625) 2020年8月10日
「中立的な内部モデルは、非身体的で中央集権的な思索の対象となる領域のためのもので、のろくて、高価で、維持が大変な贅沢品である(省略)自然はコスト意識が高く、一般にこのような高級品を懸命に避けようとする。」
一応、自分の考えを書いておくと、方向が逆なんだろうなと思ってる。 何を言ってるかというと、言語から内部世界を作るんじゃなくて、内部世界から言語を獲得するようにしないといけないんだろうなということ。
名前がなくてもモノはそこに存在するんよね。 そこから恣意的に切り取ることで、(不完全な写像として)言語が現れてくる。
なので、インタフェースとして言語を第一にするのは、筋が悪いんじゃないかなぁと。 どうしても「知性」というと言語と結びつけてしまうけど。
以下も参照:
オブジェクトと身体の間でやり取りされるされるものは、「言葉」ではなく「身体の感覚」でないといけないという意味での、「身体性」の必要性
この部分ね。
ではまた明日。